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 A Mì tìerra SANDA(私のふるさと三田)

スペイン南部の情熱に魅せられて フラメンコ舞踊家 東仲 一矩さん

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三田高平の地を離れ早や40年。その間フラメンコ舞踊の世界に身を投じスペインと日本を往ったり来たり、あっと言う間に時は流れ、本当に早いものです。私がこの道に入ったきっかけは、今は、もう無い映画館「三田劇場」(三田市相生町)で観たフランスの女流作家デュラスの原作「夏の夜の10時30分」(1967/米=仏)でした。

アメリカのレッドパージで追放された映画監督ジュールズ・ダッシンが制作し、メリナ・メルクーリが主演した作品で、そのバックミュージックがフラメンコで当時、三田学園の高校生だった私は、それを聴いた瞬間鳥肌が立ち、こんな音楽があるのかと思い、上映期間の終わるまで日参したのでした。今から思えば他愛のないことですが、私の原点は、やはり三田で出会ったこの作品「夏の夜の10時30分」にあるような気がします。

60歳を過ぎ、スペイン・アンダルシアと同じように「時」がゆっくりと進む高平(上槻瀬)の土地にアトリエを持とうと思い、色々な条件をクリアーして2007年夏完成しました。そしてここを基点として在住の人々と芸術等についてディスカッションをしていきたいと思っています。ふるさと三田の想い出として最初に想い出されるのは、羽束川、羽束山、大舟山です。羽束川には、夏の想い出がいっぱいです。素もぐりでの魚取り、ひっかけ針での鮎取り、ヘビが横切る川での遊泳、体が冷えると岩場で温まり、夕暮れまで遊んだものです。秋には、羽束山の登山。大舟山には、三角点があって初めて目にしたものでした。秋祭は、地区の子どもは学校を早引けで帰り、外に出ていた人達も戻ってきて、酔っ払った担ぎ手は、バスを止めて運転手を困らせていた様に思います。

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冬は、今よりも雪が多く、竹で作ったスキーで遊び、千刈湖に行ってワカサギ釣り等々。そうやって季節がはっきりと見えていたのが、想い起こされます。そして日々がゆっくりと豊かに流れていく、そんな高平での青春でした。「刻の間」を楽しむ。こんな贅沢な土地に生まれ育った、私は本当に「しあわせ者」です。


Viva Mì tìerra SANDA.
Canta al Cielo Baila en el Viento y Suenã encima de la Tierra!!
(ビバふるさと三田。空に唄え、風に舞え。そして土に夢見よう)。


東仲 一矩

■プロフィール
兵庫県三田市生まれ。17歳の頃にフラメンコに興味を持ち、ギターを三好保彦氏に師事、舞踊を伴須美氏に師事する。1970年 渡西。メルセデス、トーマス・マドリーに師事。スウェーデン国立舞踊アカデミーの講師として6ヶ月の滞在後、スペインにてラファエル・デ・コルドバ舞踊団第一ソリストとしてイタリア、ベルギー、バルセロナ公演に参加。神戸っ子・ブルーメール賞、神戸市文化奨励賞など受賞。日本フラメンコ協会理事。日本フラメンコ協会関西地区理事長。
■関連ホームページ
東仲一矩フラメンコ舞踊研究所
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