月は昔から人々の信仰の対象でした。満月や三日月など、さまざまに形を変え、時には月食を起こすその姿を、昔の人々は神様だと思ったのでしょう。ギリシアではアルテミスという女神だと考えられていました。
その神様のいる場所に旅行しようという小説を初めて書いたのは、19世紀のフランスの小説家ジュール・ヴェルヌでしょう。彼の小説「月世界旅行」を読んで月へ行こうと考えた人々がたくさん現れました。ツィオルコフスキー、ゴダードやオーベルトはこの小説に大きな影響を受けたのです。
やがてアポロ計画によって、月に降り立った人類は、そこが予想とは違う世界であると同時に、新たな生活の場であることを知りました。というのも、月は明るい場所と暗い場所があり、明るい場所は「陸」、暗い場所は「海」と呼んできましたが、月には空気も水もありませんでした(水が氷の状態で発見されたという報告もあります)。クレーターは火山の噴火の後ではなく、小惑星などが衝突した跡でした。
Photo©NASA
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